こどもNISAは2027年開始!教育資金の作り方をFP教員が解説

こんにちは。高校教員でFP2級のたく先生です。
子どもの大学進学費用や高校の学費準備として絶大な人気を誇っていた「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)」は、2023年末をもって新規買付が終了しました。新NISAには未成年者口座がないため、「これから子どもの教育資金はどうやって準備すればいいの?」「すでにジュニアNISAに入れているお金はどうなるの?」と不安に感じている保護者や教員の先生方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、ジュニアNISAの廃止を悲観する必要はまったくありません。むしろ制度改定によって使い勝手が劇的に向上した既存口座のメリットを活かしつつ、「親名義の新NISA口座」と「教員特有の児童手当・扶養手当」を組み合わせることで、これまで以上に柔軟かつ強力な教育資金形成が可能になっています。今回はFP教員の視点から、失敗しない教育資金づくりを完全解説します。
ジュニアNISA廃止後の教育資金はどう作る?
ジュニアNISAの廃止に伴い、教育資金づくりのルールは大きく変わりました。まずはすでに口座をお持ちの方の資産運用ルールと、これから教育資金を準備するご家庭が取るべき新NISA活用スキームの全体像を整理しましょう。
既存のジュニアNISA口座は18歳まで非課税
2023年末までにジュニアNISA口座で買い付けた株式や投資信託は、制度終了後もそのまま「子どもが18歳になるまで非課税で保有・運用を継続」することができます。
以前の制度では5年間の非課税期間終了時に「継続管理勘定」への移管手続き(ロールオーバー)が必要でしたが、現在は何の手続きも不要で自動的に18歳まで非課税運用が継続されます。非課税枠内での複利運用がそのまま効き続けるため、大学進学まで慌てて売却する必要はありません。
廃止後はいつでも非課税で引き出しが可能に
かつてジュニアNISAが不人気だった最大の理由は、「18歳になるまで原則として払い出しができない(引き出すと過去の利益に遡及課税される)」という厳しい資金拘束でした。
しかし制度廃止に伴う法改正により、2024年以降は「年齢制限が完全撤廃され、いつでも非課税で引き出し可能」という神ルールへと進化しました。中学・高校受験や急な医療費など、必要になったタイミングでペナルティなしで現金化できます(※払い出し時は口座内の全資産を一括解約・口座廃止する必要があります)。
① 2024年以降の新規買付はできないが、既存資産は18歳まで非課税保有が可能
② ロールオーバー等の面倒な手続きは一切不要で自動継続
③ 18歳未満であっても、必要な時はいつでも非課税で全額払い出しができる
親名義の新NISA口座を活用して準備する
2024年からスタートした「新NISA」は18歳以上が対象のため、未成年の子ども名義で口座を開設することはできません。そのため、これからの教育資金づくりは「親名義の新NISA枠(つみたて投資枠・成長投資枠)」を活用して準備するのが王道となります。
新NISAは1人あたり生涯投資枠が1,800万円、夫婦2人合わせれば最大3,600万円という広大な非課税枠が用意されています。この枠の中で「老後資金用」と「子どもの教育資金用」を分けて運用することで、非課税メリットを最大限に享受できます。
大学費用の払い出し後も投資枠は翌年復活
親名義の新NISAで教育資金を準備する最大の強みが、「売却した簿価(投資元本)分の非課税枠が翌年に復活する」という再利用機能です。
子どもが18歳になり大学の入学金や学費として500万円分を売却・出金した場合、その500万円分の生涯投資枠は翌年にまるまる復活します。子育てが一段落した50代以降、復活した非課税枠を使って自分たちの老後資金の積立を再開できるため、資金効率が極めて高くなります。

学費を支払った後も枠が無駄にならず、老後資産形成へシームレスにバトンタッチできるのが新NISAの最大の凄さですね。
学資保険と新NISAはどちらを選ぶべきか
教育資金の準備先として昔から親しまれている「学資保険」と「新NISA」のどちらを選ぶべきか、迷う方も多いはずです。インフレと物価高が続く現代において、両者の特徴を冷静に比較してみましょう。
| 比較項目 | 学資保険 | 親名義の新NISA(オルカン等) |
|---|---|---|
| 期待リターン | 返戻率103〜105%前後(年利0.2%程度) | 年利4〜5%(長期インデックス投資) |
| インフレ耐性 | 極めて弱い(学費高騰で実質目減り) | 極めて強い(世界経済成長に連動) |
| 途中解約・流動性 | 元本割れペナルティ(資金固定) | いつでも1円単位で非課税引き出し可能 |
| 枠の再利用 | 満期金受取で終了 | 売却した投資枠が翌年復活して再利用可 |
| 元本保証・リスク | 元本保証(保険会社破綻リスクあり) | 元本保証なし(※出口戦略でヘッジ可能) |
学資保険は18年間預けても数十万円程度しか増えず、大学授業料の値上げや物価上昇に追いつけません。長期の資産形成においては、新NISAによるインデックス投資が圧倒的に優位です。
ジュニアNISA廃止後の教育資金の積立戦略
ここからは、教員の給与体系と公的制度の強みをフル活用した、最も無駄がなく再現性の高い「教育資金積立シミュレーション」と「安全な出口戦略」を具体的に解説します。
児童手当と扶養手当を原資にして積み立てる
子どもの教育資金を準備する際、家計の給料から無理に捻出しようとすると家計が圧迫されます。そこで活用したいのが、国から支給される「児童手当」と、勤務先から支給される「教員の扶養手当」です。
児童手当(月1万〜1.5万円)と教員の子ども扶養手当(月1.3万〜高校生加算1.8万円)を合算すると、子ども1人につき毎月約2.3万〜2.8万円の公的キャッシュフローが生まれます。この手当を日々の生活費口座と完全に切り離し、全額新NISAの自動積立に回すだけで、家計の持ち出し実質ゼロで教育資金が完成します。
月3万円の複利運用で800万円をめざす
子どもが生まれてから高校卒業までの18年間(216ヶ月)、手当を原資に新NISA(全世界株式やS&P500)で積み立てた場合のシミュレーションを見てみましょう。
| 毎月の積立額 | 元本合計(18年間) | 年利3%運用 | 年利5%運用(期待値) | カバーできる学費目安 |
|---|---|---|---|---|
| 月 20,000円 | 432万円 | 約 572万円 | 約 698万円 | 国公立・私立文系全額 |
| 月 25,000円 | 540万円 | 約 715万円 | 約 873万円 | 私立理系学費+諸経費 |
| 月 30,000円 | 648万円 | 約 858万円 | 約 1,048万円 | 私立理系+下宿生活費 |
手当に少しだけ給与から上乗せして月2.5万〜3万円を年利5%で運用できれば、大学進学時には870万〜1,000万円超の教育資金が手に入ります。文部科学省の調査による私立理系大学の4年間総費用(約900万〜1,000万円)すらも全額カバーできる計算です。
高校生になったら共済貯金へ安全シフト
教育資金の投資で絶対にやってはいけない失敗が、「大学入学の直前(18歳)に大暴落が起きて資産が30〜50%減ってしまうこと」です。老後資金と違い、学費を支払うタイミング(18歳の春)は先延ばしにできません。
そこでFP教員が実践しているのが、高校進学(15〜17歳)のタイミングで株式を段階的に利益確定し、元本確定型の「教員の共済貯金」へ安全シフトする出口戦略(De-risking)です。
・0〜14歳(小・中学期):新NISAで株式100%全力運用(複利最大化)
・15〜17歳(高校生期):目標額に達した分から順次売却し、年利1%超の高金利な「公立共済貯金」へ移管
・18〜22歳(大学在学期):共済貯金から確実に入学金・授業料を支払う
この出口戦略をとることで、運用益をガッチリ守りながら大学進学を迎えることができます。
祖父母からの教育費支援は都度贈与で非課税
祖父母から子どもの学費や入学金の援助を受ける場合、税金のルールを正しく知っておく必要があります。国税庁タックスアンサー No.4405(相続税法第21条の3)により、「生活費や教育費に充てるための都度贈与」は贈与税が完全非課税となります。
入学金や学費の納付書が届いたタイミングで祖父母から直接大学へ振り込んでもらったり、必要な金額をその都度振り込んでもらう場合は、年間110万円を超えても贈与税は1円もかかりません(※数年分の学費をまとめて一括入金すると課税対象になるリスクがあるため、必ず都度支払いにしましょう)。
資産運用の実践を通じて子どもに金融教育
新NISAを活用した教育資金づくりは、子どもへの最高の「金融教育」にもなります。高校の家庭科や公共で金融教育が必修化された今、親が実際にどのように手当を運用して学費を育ててくれたのかを見せることは、どんな教科書よりも価値のある生きた授業です。
子どもが18歳を迎えたら本人名義の新NISA口座を開設し、今度は本人のアルバイト代やお年玉から積立投資をスタートさせることで、次世代へ健全な資産形成の習慣をバトンタッチできます。
教育資金やライフプランニング、税制優遇の全体像を体系的に学んでおくことは、自分自身の資産形成だけでなく、学校現場で生徒たちに本物のマネーリテラシーを教える大きな自信につながります。
ジュニアNISA廃止後の教育資金づくりの総括
今回は、ジュニアNISA廃止後の教育資金づくり、親名義の新NISA活用法、学資保険との比較、児童手当・扶養手当を活用した800万円シミュレーション、そして共済貯金への出口戦略まで徹底解説しました。
ジュニアNISAが終了しても、親名義の新NISA枠(夫婦3,600万円)と枠の復活機能、そして教員ならではの手当原資を組み合わせることで、より柔軟で盤石な教育資金を作ることができます。高校進学時の安全シフトを意識しながら、長期の複利運用を味方につけましょう。
「教員の扶養手当」や「教員の共済貯金」、そして「教員のボーナス活用法」と連動させて、家族全員の安心できる未来を築いていきましょう!






