【簿記2級】引当金6種を完全攻略!仕訳と計算・P/L表示を徹底図解
【簿記2級】引当金6種を完全攻略!仕訳と計算・P/L表示を徹底図解
こんにちは。たく先生です。
日商簿記2級の商業簿記を学習していると、決算整理仕訳や本試験の第2問・第3問で必ずと言っていいほど出題されるのが引当金です。3級では貸倒引当金だけを学習しましたが、2級になると商品保証引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付引当金、修繕引当金と一気に種類が増え、それぞれの計算方法や仕訳、損益計算書での表示区分に混乱してしまう受験生が少なくありません。
私自身、FP2級を保有する教員として現在簿記2級の勉強に励んでいる中で、営業外債権の貸倒れをうっかり販管費に計上してしまったり、退職給付引当金で繰入勘定を探してしまったりと、特有のひっかけに悩まされた経験があります。しかし、引当金はそれぞれの設定目的と会計上のルールさえ一度整理してしまえば、確実に満点を狙える超重要得点源になります。
この記事では、日商簿記2級で頻出する引当金6種の本質的な仕組みから、個別引当の計算式、損益計算書(P/L)の表示区分、資本的支出が絡む修繕の処理、そして本試験レベルの実戦問題5題まで、分かりやすく徹底的に図解します。ぜひ最後まで読んで、引当金の苦手意識を完全に解消してください。
簿記2級の引当金で押さえるべき基本と6つの会計処理
日商簿記2級で学習する引当金は、単に勘定科目と金額を機械的に暗記するだけでは本試験の応用問題に対応できません。まずは企業会計原則における引当金の根本的な存在理由と4つの計上要件を理解し、貸借対照表(B/S)および損益計算書(P/L)における全体像と6大引当金の基本的な会計処理を順番に整理していきましょう。
簿記2級の引当金における4つの計上要件
引当金とは、「将来発生する特定の費用や損失」に備えて、当期の決算においてあらかじめ見積もって計上する金額のことです。企業会計原則では、以下の4つの計上要件をすべて満たす場合に、引当金の計上が義務付けられています。
- ① 将来の特定の費用または損失であること(「何のために使うお金か」目的が明確に定まっている)
- ② その発生が当期以前の事象に起因していること(当期の売上や従業員の労働提供などが原因)
- ③ 発生の可能性が高いこと(単なる万が一の事態ではなく、高い確率で支出が見込まれる)
- ④ 金額を合理的に見積もることができること(過去の実績率や契約条件から計算可能)
なぜ実際にお金を支払っていない決算の段階で費用を計上するのでしょうか?その理由は、会計の根本原則である「費用収益対応の原則(発生主義)」にあります。例えば、当期に商品をたくさん売ったことで将来無料修理が発生するなら、その修理費用は「売上が上がった当期の費用」として計上しなければ、当期の正しい儲け(純利益)が計算できないからです。
簿記2級で登場する引当金は全部で6種類あります。これらは性質上、資産から直接差し引く「評価性引当金」と、将来の支払義務を表す「負債性引当金」に分かれます。さらに本試験で最も差がつくのが、損益計算書(P/L)における表示区分の違いです。以下の比較表で全体像を完璧に整理しておきましょう。
| 引当金の種類 | B/S上の性質 | 設定時の費用科目 | P/L表示区分 | 主な目的・設定対象 |
|---|---|---|---|---|
| 貸倒引当金(営業債権) | 資産のマイナス(評価勘定) | 貸倒引当金繰入 | 販売費及び一般管理費 | 売掛金・受取手形などの回収不能リスク |
| 貸倒引当金(営業外債権) | 資産のマイナス(評価勘定) | 貸倒引当金繰入 | 営業外費用 | 貸付金・未収入金などの回収不能リスク |
| 商品(製品)保証引当金 | 負債(流動負債) | 商品(製品)保証引当金繰入 | 販売費及び一般管理費 | 販売した商品の将来の無料修理費用 |
| 賞与引当金 | 負債(流動負債) | 賞与引当金繰入 | 販売費及び一般管理費 | 次期支給ボーナスのうち当期労働負担分 |
| 役員賞与引当金 | 負債(流動負債) | 役員賞与引当金繰入 | 販売費及び一般管理費 | 役員に支払う賞与の見積もり |
| 退職給付引当金 | 負債(固定負債) | 退職給付費用 | 販売費及び一般管理費 | 将来の退職金・年金支給に対する当期発生分 |
| 修繕引当金 | 負債(流動/固定負債) | 修繕引当金繰入 | 販売費及び一般管理費 | 周期的な固定資産の大規模修繕費用 |

引当金の設定時の借方科目は基本的に「〇〇引当金繰入」ですが、退職給付引当金だけは「退職給付費用」という独立した勘定科目を使います。また、貸付金に対する貸倒引当金繰入は「営業外費用」に計上する点も本試験の頻出トラップですので、表の赤字部分をしっかり脳内に焼き付けておきましょう。
貸倒引当金の個別引当と担保控除の計算方法

日商簿記3級の貸倒引当金は、売掛金や受取手形といった一般債権に対して一律のパーセンテージ(例: 2%など)を掛けて計算する「一括引当」が中心でした。しかし簿記2級では、経営状態が悪化して倒産の危機にある特定の取引先に対して、通常の債権と区別して高い貸倒率で見積もる個別引当(個別評価)が出題されます。
個別引当を行う際、最も重要な鉄則が「担保の処分見込額や保証額を債権額から差し引いてから貸倒率を乗じる」という点です。
個別引当の貸倒見積額 = (対象債権金額 - 担保の処分見込額・保証額) × 貸倒率
なぜ担保処分見込額を控除するのでしょうか?それは、相手企業が万が一倒産しても、預かっている不動産などの担保物件を売却すれば、その金額分は確実に回収できるからです。つまり、貸倒れのリスクに晒されている「正味の危険額(差引金額)」に対してのみ引当金を設定するのが会計の合理的な考え方です。
営業外債権の貸倒引当金と損益計算書の区分
貸倒引当金を設定する対象債権には、売掛金や受取手形のような本業の「営業債権」だけでなく、役員・従業員や他社への貸付金、未収入金といった営業外債権も含まれます。
ここで本試験の財務諸表作成問題において最も注意すべきなのが、営業債権に対する繰入額は「販売費及び一般管理費」に計上するのに対し、営業外債権に対する繰入額は「営業外費用」に計上するという明確な区分です。
【設例】
決算にあたり、売上債権(受取手形150,000円、売掛金350,000円)に対して2%、貸付金600,000円に対して1%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
ただし、貸付金のうち200,000円は経営不振に陥っているA社に対するものであり、担保処分見込額50,000円を差し引いた残額に対して40%の貸倒引当金を個別設定する。
なお、決算整理前の貸倒引当金残高15,000円のうち、3,000円は売上債権に対するもの、12,000円は貸付金に対するものである。
【思考プロセスと計算手順】
ステップ1:売上債権(営業債権 ➔ 販管費)
・対象総額 = 150,000円 + 350,000円 = 500,000円
・貸倒見積額 = 500,000円 × 2% = 10,000円
・当期繰入額 = 10,000円 - 既存残高3,000円 = 7,000円(販売費及び一般管理費)
ステップ2:貸付金(営業外債権 ➔ 営業外費用)
・一般貸付金(一括引当分):(600,000円 - 200,000円) × 1% = 4,000円
・A社貸付金(個別引当分):(200,000円 - 担保50,000円) × 40% = 60,000円
・貸付金の貸倒見積総額 = 4,000円 + 60,000円 = 64,000円
・当期繰入額 = 64,000円 - 既存残高12,000円 = 52,000円(営業外費用)
この場合の決算整理仕訳は以下の通りです。借方の科目名はいずれも「貸倒引当金繰入」ですが、損益計算書を作成する際は「販管費7,000円」と「営業外費用52,000円」にきっちり分けて記載します。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金繰入 | 59,000 | 貸倒引当金 | 59,000 |
商品保証引当金の計上基準と修理発生時の処理

家電製品やパソコン、精密機械などの販売では、「購入後1年間は無償で修理・保証します」というアフターサービス契約を結ぶのが一般的です。この無償修理費用は、商品を販売した当期の売上に対応する費用であるため、決算時にあらかじめ見積もって商品保証引当金(自社製造製品の場合は製品保証引当金)を計上します。
会計処理のポイントは、「①決算時の見積計上」と「②実際に修理が発生したときの取崩し」の2ステップです。
| 取引のタイミング | 借方科目・金額 | 貸方科目・金額 |
|---|---|---|
| ① 決算整理時(設定) (当期販売高3,000,000円×1%) | 商品保証引当金繰入 30,000 (販売費及び一般管理費) | 商品保証引当金 30,000 (流動負債の増加) |
| ② 修理発生時(取崩し) (修理代金18,000円を小切手支払) | 商品保証引当金 18,000 (流動負債の減少) | 当座預金 18,000 (資産の減少) |
もし修理代金が35,000円かかり、引当金残高30,000円を超えてしまった場合はどうするでしょうか?
この場合は、残高の30,000円を全額取り崩し、足りない5,000円はその期の費用として「商品保証費(販管費)」で処理します。
仕訳:(借) 商品保証引当金 30,000 / (貸) 当座預金 35,000
(借) 商品保証費 5,000
賞与引当金の月割り期間按分と決算整理仕訳

賞与引当金とは、従業員に対して次期に支給するボーナスのうち、当期の労働に対して発生している分を決算において見積計上する引当金です。賞与は半年などの勤務実績(査定期間)に基づいて支給されるため、その査定期間が決算日をまたぐ場合に月割り期間按分計算を行います。
【設例】
・決算日:3月31日(年1回決算)
・賞与査定期間:11月1日〜翌年4月30日(6ヶ月間)の勤務に対し、6月に総額 1,200,000円 の賞与を支給する予定。
・決算整理(3月末):査定期間のうち当期に属する11月〜3月の5ヶ月分を賞与引当金として計上する。
・計算式:1,200,000円 ÷ 6ヶ月 × 5ヶ月 = 1,000,000円
| 取引時期 | 借方科目・金額 | 貸方科目・金額 |
|---|---|---|
| ① 3月末 決算整理 (当期分5ヶ月を見積計上) | 賞与引当金繰入 1,000,000 (販売費及び一般管理費) | 賞与引当金 1,000,000 (流動負債の増加) |
| ② 翌期6月 支給時 (1,200,000円を小切手支給) | 賞与引当金 1,000,000 従業員賞与 200,000 (翌期4月分1ヶ月の費用) | 当座預金 1,200,000 (資産の減少) |
支給時の仕訳に注目してください。借方には、前期末に設定した賞与引当金1,000,000円の取崩しだけでなく、翌期(4月分)の労働に対応する200,000円を「従業員賞与(または賞与)」勘定で当期の費用として計上します。タイムテーブルを書いて「何ヶ月分が当期で、何ヶ月分が翌期か」を指差し確認するのがケアレスミスを防ぐコツです。
役員賞与引当金の決算計上と株主総会の留意点
役員(取締役や監査役など)に対して支給される役員賞与についても、当期の職務執行の対価であるため、決算時に役員賞与引当金を計上します。ただし、従業員賞与と決定的に異なるのが「会社法上の手続き(株主総会決議)」との関係です。
役員賞与は原則として決算後の株主総会での承認決議を経て支給額が確定します。そのため、本試験の仕訳問題では以下の3つのタイミングごとの処理が問われます。
- 1. 決算時(決算整理): 株主総会前で見積額であっても、当期の費用として「役員賞与引当金繰入(販管費) 500,000 / 役員賞与引当金(負債) 500,000」を計上する。
- 2. 株主総会時(超重要): 株主総会で役員賞与の支給議案が可決された際、仕訳は行わない(仕訳なし)。決算時にすでに負債計上済みのため、承認時点では二重処理を避けるためです。
- 3. 役員賞与支払時: 実際に小切手を振り出すなどして支払った際、「役員賞与引当金 500,000 / 当座預金 500,000」として引当金を取り崩す。

「株主総会において役員賞与の支給が承認された」という問題文が出題された場合、解答欄に「仕訳なし」と書くのが正解です。決算時にすでに負債計上しているので、会議で承認されたからといって新たに未払金などに振り替える必要はありません。試験で本当によく出るひっかけですので覚えておきましょう。
簿記2級の引当金で差がつく応用論点と実戦対策
基本となる引当金の処理を押さえたら、次は合否を分ける重要応用論点である「退職給付引当金」と「修繕引当金(資本的支出の判定)」を攻略しましょう。後半では、本試験レベルの実戦仕訳問題5題と最短で合格力を身につける学習法まで徹底解説します。
退職給付引当金の費用計上と固有の勘定科目
従業員が将来退職した際に支払われる退職一時金や企業年金に備えて計上するのが退職給付引当金です。退職金は退職時にまとめて支払われますが、その発生原因は従業員が会社に勤務して提供した日々の労働にあります。そのため、当期に発生した退職給付の負担分を見積もって固定負債に計上します。
退職給付引当金で試験において最も狙われる超重要ポイントは、「繰入勘定を使わない」という独自のルールです。退職給付の計算には、単なる引当金繰入だけでなく、将来支払う利息費用や、年金資産の運用によって得られる期待収益など、複数の複雑な計算要素が合算されています。そのため、勘定科目名には「退職給付引当金繰入」ではなく「退職給付費用」を使用します。
| 取引のタイミング | 借方科目・金額 | 貸方科目・金額 |
|---|---|---|
| ① 決算整理時(設定) (当期繰入額120,000円) | 退職給付費用 120,000 (販売費及び一般管理費) | 退職給付引当金 120,000 (固定負債の増加) |
| ② 退職金支払時 (退職金80,000円を普通預金支給) | 退職給付引当金 80,000 (固定負債の減少) | 普通預金 80,000 (資産の減少) |
退職給付引当金の残高が十分にある場合は、支払った退職金全額を退職給付引当金の借方に記入して取り崩します。仕訳の形自体はとてもシンプルですので、「借方は退職給付費用」という科目名さえ間違えなければ確実に満点を取ることができます。
修繕引当金の取崩しと資本的支出の判定基準

工場建物や大型機械などの有形固定資産は、数年に一度の大規模修繕(定期点検やオーバーホール等)を行うのが一般的です。このような将来の周期的な修繕費用に備えて設定するのが修繕引当金です。決算時は「修繕引当金繰入(販管費) / 修繕引当金(負債)」で設定し、実際に修繕工事を行ったときに取り崩します。
ここで簿記2級の応用問題として極めて頻出なのが、工事代金の中に「資本的支出」と「収益的支出」が混ざっているパターンです。
| 支出の性質 | 工事の内容・効果 | 会計処理(勘定科目) |
|---|---|---|
| 資本的支出 | 固定資産の価値向上・耐用年数の延長を伴う改良・増築 | 固定資産の取得原価に加算 (例: 「建物」「機械」勘定の借方) |
| 収益的支出(通常修繕) | 固定資産の現状維持・原状回復のための通常の定期修繕 | ① 修繕引当金の取崩し ② 残高超過分は「修繕費」(販管費) |
【設例】
工場の建物について大規模修繕および耐震補強工事を行い、代金500,000円を小切手を振り出して支払った。
代金のうち150,000円は建物の耐久性を高める耐震補強(資本的支出)であり、残額は通常の修繕である。
なお、修繕引当金の残高は280,000円であった。
【思考ステップと仕訳手順】
1. 支出総額500,000円から、資本的支出150,000円を差し引く ➔ 通常修繕(収益的支出)は 350,000円
2. 資本的支出150,000円は、固定資産の価値が高まったため「建物」の借方に計上する。
3. 通常修繕350,000円のうち、修繕引当金残高280,000円を全額取り崩す。
4. 引当金残高を超えた差額 70,000円(350,000円 - 280,000円)は、当期の「修繕費(販管費)」として計上する。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建 物 修繕引当金 修 繕 費 | 150,000 280,000 70,000 | 当座預金 | 500,000 |
本試験レベルの引当金実戦仕訳演習5題

知識を頭に入れたら、本試験レベルの実戦問題演習でアウトプットを行い、自力で完璧に仕訳を切れるか試してみましょう。ここでは日商簿記2級の出題範囲から厳選した5つの典型パターン問題を用意しました。
以下の5つの取引について、それぞれ適切な勘定科目と金額を用いて仕訳を行ってください。まずは解答を見ずに、お手元のノートやメモ用紙に仕訳を書き出してみることを強くおすすめします。
問1: 取引先が経営破綻したため、売掛金450,000円が貸倒れとなった。このうち250,000円は当期中に売り上げた商品代金であり、残りの200,000円は前期に売り上げた分であった。なお、決算整理前の貸倒引当金の残高は300,000円である。
問2: 決算にあたり、当期の従業員に対する退職給付引当金繰入見込額180,000円を計上する。
問3: 当期に販売した電子機器について顧客から無償修理の申し出があったため、専門業者に修理を委託し、代金85,000円を現金で支払った。なお、決算整理前の商品保証引当金の残高は60,000円であった。
問4: 本社ビルのエレベーター改修工事が完了し、工事代金800,000円の請求書を受け取った(代金は翌月末払い)。工事代金のうち300,000円は最新の省エネ制御機能を追加する改良(資本的支出)であり、残額は通常の定期点検・修繕である。なお、修繕引当金の残高は400,000円であった。
問5: 決算にあたり、売掛金残高2,500,000円に対して差額補充法により貸倒引当金を設定する。売掛金のうち経営危機にあるB社に対する500,000円については担保処分見込額100,000円を控除した残額に40%の貸倒引当金を個別設定し、残りの一般売掛金には2%を一括設定する。なお、決算整理前の貸倒引当金の残高は35,000円であった。
実戦仕訳演習の模範解答と詳細思考プロセス
それでは、各問題の模範解答と詳しい思考プロセスを確認していきましょう。「解答と解説を見る」をクリックすると、詳細な解説が開きます。
問1の模範解答と解説(当期売上と前期売上の貸倒れ区分)を見る
【模範解答】
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 貸倒損失 | 200,000 250,000 | 売掛金 | 450,000 |
【思考プロセス解説】
1. 売掛金450,000円のうち、当期売上分250,000円は前期末の引当金設定の対象外です。そのため、引当金の残高がいくら残っていようと、全額を当期の費用である「貸倒損失(販管費)」として処理します。
2. 残りの前期売上分200,000円は前期末に引当金を見積もっているため、貸倒引当金残高300,000円の範囲内から200,000円を取り崩します。
💡 たく先生のワンポイント: 「引当金残高が300,000円あるから全額相殺できる!」と勘違いして全額引当金を取り崩してしまうミスが本試験で多発します。「当期売上分は必ず貸倒損失」という鉄則を絶対に忘れないようにしましょう。
問2の模範解答と解説(退職給付引当金の計上科目)を見る
【模範解答】
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 退職給付費用 | 180,000 | 退職給付引当金 | 180,000 |
【思考プロセス解説】
退職給付引当金の決算計上では、借方の費用科目に「退職給付引当金繰入」ではなく「退職給付費用(販売費及び一般管理費)」を使用します。
💡 たく先生のワンポイント: 他の引当金と違って「繰入」がつかない唯一の引当金です。選択式問題で「退職給付引当金繰入」を探してパニックにならないよう、しっかり頭に刻んでおきましょう。
問3の模範解答と解説(商品保証引当金の残高超過処理)を見る
【模範解答】
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 商品保証引当金 商品保証費 | 60,000 25,000 | 現 金 | 85,000 |
【思考プロセス解説】
1. 修理代金85,000円のうち、既存の商品保証引当金残高60,000円を上限として取り崩します。
2. 引当金を超過した差額25,000円(85,000円 - 60,000円)は、当期の費用として「商品保証費(販管費)」で処理します。
問4の模範解答と解説(資本的支出と修繕引当金・未払金)を見る
【模範解答】
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 建 物 修繕引当金 修 繕 費 | 300,000 400,000 100,000 | 未 払 金 | 800,000 |
【思考プロセス解説】
1. 工事代金800,000円のうち、機能追加・価値向上にあたる300,000円は資本的支出のため固定資産「建物」の取得原価に加算します。
2. 残りの通常修繕500,000円(800,000円 - 300,000円)から、修繕引当金残高400,000円を取り崩します。
3. 引当金を超過した差額100,000円(500,000円 - 400,000円)は当期の「修繕費」に計上します。
4. 代金は翌月末払いのため、貸方は本業の買掛金ではなく「未払金」(営業外の債務)で処理します。
問5の模範解答と解説(個別引当と一括引当の合算計算)を見る
【模範解答】
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金繰入 | 165,000 | 貸倒引当金 | 165,000 |
【思考プロセス解説】
ステップ1:B社向け売掛金(個別引当)
担保100,000円を差し引いた正味危険額に対して40%を乗じる:
(500,000円 - 100,000円) × 40% = 160,000円
ステップ2:その他の一般売掛金(一括引当)
B社分を除いた残りの売掛金に2%を乗じる:
(2,500,000円 - 500,000円) × 2% = 2,000,000円 × 2% = 40,000円
ステップ3:貸倒引当金全体の繰入額(差額補充法)
貸倒見積総額(160,000円 + 40,000円 = 200,000円)から、既存残高35,000円を差し引く:
200,000円 - 35,000円 = 165,000円
簿記2級の引当金を得点源に変える最短合格法
ここまで、日商簿記2級における引当金6種の仕訳・計算ルール、損益計算書表示、そして実戦演習を徹底解説してきました。引当金はそれぞれの設定目的と期間配分の考え方を理解すれば、決して丸暗記に頼る必要はありません。
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